<< BACK MAIN NEXT >>
「独立電源の家」上棟式!
奉上棟祭

 去る4月12日、K邸の上棟式が行われました。
このおうちのコンセプトは、
「原発の電気に頼らず、環境負荷をなるべく低くする家」
「災害時に家族を守れる家」。

そのために、
木と土の家&独立電源という選択になりました。

「『独立電源』という選択について」
http://folklifeblog.emix-express.com/?eid=45

※上記リンク先で書いていることは、
建て主のKさんや施工のH建築のかたがたの見解と
よく似ているけれどたぶん、細部は同一ではないかなと思うので、
念のため「私見」ということでおことわりをしておきます。


棟

上棟式は、祝詞を上げたあと、
皆で無事の完成を祈り、
そして餅をまくというもの。

「上棟式、最近はみないなあ。久しぶりに見るよ」と
年配の友人がなつかしそうににこにこ。

建て主Kさんちにも小さい子どもがおり、
集まったKさんの友人たちにも
同じくらいの子どもたちがいたので、
お餅を撒いたとき、とても賑やか。

つつがなく、そして
なごやかに、賑やかに
上棟式は終わりました。

……このあたりの詳細や写真は、
施工のかたと建て主のかたの
ブログに載るだろうということで、
こちらではかぶらないように、割愛します。


最後、Kさんの提案で、
上棟に関わったみんなで、
棟にメッセージを残すことに。

足跡

……みんなが何を書いたのかは、
現場に訪れた人だけの共有です。


家ができていくのはこれからですが、
上棟を終えて大切な骨組みの部分ができたのと同様、
関わる皆の、それぞれの気持ちの核の部分も
このときがっしりと組まれた、と感じました。

住む人、作る人、応援する人、見守る人。
みんなの気持ちが、ひとつになっています。

これからの、完成までの
おうちの成長が、とても楽しみです。



おまけ

「屋根の上のバイオリン弾き」。

屋根の上のバイオリン弾き


「里山と結びついた家づくり」 | 20:42 | comments(0) | - | - |
パ茎を使ったレバーペースト案。
 実験はしていないのだけれど、
たぶんおそらくきっとウマいものになる気がする。
でも、多くのひとさまに食べさせるものとしては
レバーはちょっと、やめときたい。

ということで、イベント用に考えてみたけど
没にしたシカwithパクチーメニュー案です。
どなたか、いけそうじゃんと思ったら、作ってみてください。

【レバーペースト タイ風味】

・レバーペーストを作るときのセロリを
 パクチーの茎(パ茎)におきかえる
・塩味はナンプラーに
・はちみつはパームシュガーに
・牛乳orクリームを入れるならば、ココナツクリームに

ああ、食材名を羅列しているだけで、わくわくします。
たまらんです。
食べるときにはパクチーペーストを添えて。

……。

冷静になって考えてみれば、
パクチーや納豆については、クセのぶぶんが好きすぎて
その味がするだけで「おいしい」と判断する
ひいきな舌とのうみそになってしまっているため、
これは、もしかしたら
パクチー好きのかたの一部の共感しか、得られないかもしれません。

もう少し一般的な視点のメニューを考えてみよう……。



肉を食べる(調理) | 03:45 | comments(0) | - | - |
「独立電源」という選択について。
いよいよ、かねてから計画があたためられていた
おともだちの「独立電源の家づくり」がはじまりました。
http://ameblo.jp/ae96/entry-11229612507.html

 3/11のあの災害の後、
エネルギーのことを、私はあらためて
真剣に考えるようになりました。

前もって言っておきますが、
私は電気が悪だと言いたいわけではありません。
むしろ、恩恵を感じることが多いです。
もし電気がなかったら、できなかった・実現しなかった
すばらしいものごとたちに囲まれて生きています。

ただ、
あの地震と津波のような、大規模な災害のときに、
生活をとりまく道具たちの多くが電気制御という
手動操作での代替が効かないもの「だらけ」に
なっているという状態は、
「便利、不便」という効率の尺度ではなく、
「生存できるかどうか」という判断基準の上で、
大きな問題があると感じました。

たとえば、暖房であれば、
一般的なファンヒーターだけのおうちのかたは、
ボタンを反応させる電気が通じていなかったら、
灯油がたっぷりあっても、暖をとれません。
ガスストーブ、石油ストーブのあるおうちのかたは、
電気が来ない中でも、ガスや灯油のストックがあり
火口に着火さえできれば、暖まることができます。
薪ストーブのあるおうちのかた、
かまどが残っているおうちのかたは
「灯油以外の燃料で暖をとれる」です。

……「便利」を批判するわけではなく、
「便利」と言われているものたちはただ、
「平常時は最高にコスパがよいが、そちらに照準したぶん、
 イレギュラーやカスタマイズに対しては柔軟性がない」
という側面を併せ持つのだと思います。

逆に「不便」といわれているものは、
効率性、即応性といった機能面だけで対比すれば、
当然「平常時」にフォーカスしたものには劣ります。
しかし、制御の塩梅が人間の手にゆだねられており、
おおむね構造が単純です。
そんな、構造がわかりやすい、見えているという透明性から、
応用のできる余地が残されています。


地震の災害から逃れ、津波の災害も逃れたかたがたが、
あの寒い時期に、すべてのライフラインが止まり、
さらに、交通も寸断されてしまい……
その結果、灯油や燃料となる木々があるにもかかわらず、
暖をとる手段を見いだせずに凍死されたというニュースは、
「これは、しかたないことなんかではない」と
とてもかなしくくやしく、心がいたみました。
そして危機感を感じました。

「便利」は「万能」ではない。

そして「不便さ」を生活に残すことは、
趣味や酔狂ではなく、
ひとつのたしかな「生存の知恵」だと思いました。

---

また、便利だからという理由で、
あらゆるもの……灯りも、暖房も、動力も、
電気をエネルギー源とするようになっています。

その結果「電気がたくさん必要」という構造になりました。
つまり「自家発電ではそうそうまかなえない」量に。
話しだせばたいへん長くなるので割愛しますが、
各家庭が欲するその電気量を賄い出すために
わたしたちは、さまざまな形で自然の資源をハイペースで費やさせています。
いつまでも続けられることではありません。

ただ、このことは、逆に言えば、
「エネルギー源を何らかの形で分散すれば、
自家発電の電力量でまかなうことができる」という
ことをも、示唆しています。


そして、
「エネルギー源を何らかの形で分散する」ことは、
冒頭の「不便なものをあえて暮らしに取り入れる」ことと
重ねることができます。

たとえば、エアコンの暖房をやめ、
薪ストーブを家庭の暖房としてとりいれることです。

生活に必要な電気量も抑え、
ライフラインも複数になります。


自然と共存しながら、
電気というすばらしいエネルギーと
長く、つきあっていく方法……

その答えのひとつが、
「自分の家で電気をまかなえる、独立電源の家」
なのではないかと思います。


……すべてを説明しようとすると
たいへんな長さになってしまうので、
この「里山と結びついた家づくり」の
進行に合わせて、少しずつ解説をこころみたいと思います。

ご興味のあるかたは、ぜひおつきあいください。



「里山と結びついた家づくり」 | 19:36 | comments(0) | - | - |
あえて、webも「昔ながらの構法」で。
住まいや建築の話をよくとりあげていますが、
「ビルド」つながりで、ちょっとこんな話も。

石を礎とし、木で組み、竹を編み、土壁をつける
日本古来の木造建築の方法「伝統構法」には、
現代で主流の構法たちと比べたときに
不便や非効率的とうつるものがあるとしても、
それは決して単純に劣るというわけではなく
そういうありようだからこその利点があります。
(詳しくは「木の家ネット」さんのホームページをどうぞ)

じつはちょこちょこお仕事でやっていますが、
webのほうの「家の建築」……
ホームページビルディングも同様だと
最近、とみに思っています。

最近のサイトは、確かに便利です。
最新情報がリアルタイムで表示され、
見ている間にも、更新されていきます。
作る側にとっても「weblog」の仕組みが
サーバー側に多く用意され、作成も更新も楽です。

でも、それは
「表示するパソコンの処理能力が高い」
「回線が太く安定している」という
現代の環境に大きく依存した仕様。

ダイヤルアップの回線も多かった
インターネット初期の時代、
なるべくデータを軽く、処理を速くしようと
工夫されていたwebデザイン&コーディングの技術。
1ページの容量を気にしたり、
閲覧環境の画面サイズを想定して
レイアウトを組んだり。
閲覧環境に依存しないタグを使い、
使う場合は、代替のものを埋め込んだり。
これらの工夫がもたらす効果は、現在でもまだ……
いや、これならではの価値があると思います。

「ブラックボックスが少ないから個人的に好き」
という好みの範囲にとどまると思っていた
インターネット初期のweb構法が、
「もしかしたら、まだ世の中に必要とされるかもしれない」
と思ったのは、3/11のあの災害の時です。

短時間の接続で欲しい情報が表示される。
ずっと回線を使い続けない。
ただのテキストであるhtmlは、
霞のように消えることがなく、安心。
古い単純なcgiスクリプトも
レスポンスの早さで役に立つ。

あの日のような、「現代の環境」が
突然まるきり崩れてしまうような
深刻なトラブルがあったときに、
これらの単純さは、ライフラインになり得る。


どんどん更新されていく最新技術を
追いかけ、手中にし、進化を続けていくかたは
世の中にたくさんいらっしゃるので、
私はそのスキマを補うものとして「webの伝統構法」を使った
ホームページ構築を、あえて続けていこうと思いました。

「生物多様性」の大切さが見直されている昨今ですが、
機械、テクノロジーなどの無生物たちの世界も同様で、
古さは「踏み越えられていった過去」ではなく、
多様性のひとつとして、大切なものなのだと思います。



スローワークいろいろ | 19:57 | comments(0) | - | - |
鹿レバーペースト、お試し編。
カテゴリ名を「肉を食べる」ってしてしまったので
ちょっと齟齬がありますが、ごかんべん。

シカのレバーをまるっとひとかたまり、いただきました。
その日は刺身でいただいてみたのだけれど、
大量にあるし、残りはレバーペーストにしてみました。

調べたレシピをいくつか見比べて
そのバリエーションの中から作り方の大筋をつかんだら、
じぶんちにある材料と、目の前にあるレバーのくせに合わせて
適当に材料選びと量を調整。
(それっぽく書いてみたけど、つまり適当なアレンジです)

おおむね参考にさせてもらったのはこちらのレシピ。
http://recime.seesaa.net/article/260211584.htm

「牛乳につけてくさみを抜く」の行程は、省略。
煮物のアクのときも思うのですが、
レバーのくさみもコレも、うまみ要素の一端だと思うので
まるきり取らないのは過剰だと思うけど
やりすぎは、せっかくの味がもったいない。
牛乳、捨てたくないし。
「あえてくさみを抜ききらずに作った」といってた
エゾシカフェのレバーペーストがとても好みの味だったし、
この行程は省いてもいいかな……
ということで、血抜きをしっかりめにすることで代替にしました。

備忘のために、適当なアレンジをメモ。
(手元になかったり好みを反映したり)

・バター → オリーブオイル
・セロリ → なし
・ニンニク増量
・赤ワイン増量
・ローリエ増量
・その他スパイスなんだかんだ追加

……まあ、適当にやりすぎて
レシピの原型を留めていないのですが、
一回目はあえて試行錯誤をする性分です。

結果として、「個人的には」わりと好みの
味にできあがりました。くさみも全然感じず。

以下考察。

・たまねぎだけではまろやかすぎてものたりない。
 セロリはあったほうがよかった。
・でもセロリに限らないかも。ほかの香味野菜系を模索してみたい。
 パクチーの茎とか。
・濃厚なほうが好きなので、もう少し水分量を減らす工夫をしたい。
・レバーの、はちみつ&赤ワインとの相性はとてもいい。



ちなみに、いただいた当日は
カツオの血合タタキ(にんにく過剰ななめろうみたいなもの)が
おいしかったのを思い出して
レバーって血合みたいなものだしね、と思って
これをまねて作ってみたのですが、もうちょっとでした。
ネギから水気が出てしまったし、
これも同じく、水気が多いのがひっかかってるかんじです。

シカ、肉もそうだけど、水分を飛ばしていく方向の調理のほうが
うまみが前に出てくる感じがして、個人的に好み。

他の地域は知りませんが、伊勢では、
鉄砲で獲った後の血抜きは肉に重石を乗せてやるそうです。
それに倣って、豆腐の水切りみたいに
網の上で重石をのっけて……というのも使えるかもしれない。
今回のレバーの血抜きは、あれこれしたあとに
切断面を下にし、すのこつきのタッパーで
冷蔵保存しておくってものでしたが、
この自重だけでもけっこう出ました。
……そういえば、友人父が以前
「レバーは布で包んで脱水機にかけるといい」って
言ってました。遠心力の力を頼るのも、よいかもです。

そのへんの水分切りを考えながら、
いいレシピがみつかるよう、模索していこうと思っています。


肉を食べる(調理) | 13:30 | comments(0) | - | - |
昔ながらの家造りと、昔ながらの習俗と。
 以前、とある古民家のお掃除をしていたら、
家からちょっと離れたところにボロ布がわだかまっていて、
それを除けてみたら、シロアリさんがぞろぞろ、ぞろぞろ。

こりゃいかん、と思って、
シロアリがいたこととともに、こういう状態だった、と
ここの維持管理をしているなかまに報告すると、
分かった、という返事のついでに、
ちょっと興味深いことを教えてくれました。

 「あえて家から少し離れた場所に
 『シロアリが居心地のいい場所』を作って、
 家のほうにシロアリがよりつかないように
 するという話もあるらしいよ」

と。

詳細省略しますが、ここの家の場合は
明らかにそういう感じではなかったので、
ふーん、そんな方法もあるんだーと思って
それっきりこの話は忘れていました。

:::

先日、「虫送り」のことを考えていたら
ふいに、この話がぐいぐいつながってきました。

「虫送り」とは、農作物を荒らす害虫たちが
たくさん発生する春〜秋の夜に、
笹を持ち、松明をつけ、鉦や太鼓を鳴らして歌いながら
集落の中からはずれまで練り歩き、
最後はそれらを焚き上げたり川に流したりするもの。

これは、暮らしに害をなすものを火や水で清めるという、
厄除け、穢れ祓いの儀式的なものだと思っていました。

でも、はたと気づいてみると、
街灯などの明かりのない時代の夜に
松明をともすことの、虫への影響力。

松明の明かりで虫を実際におびき寄せ、
農作物のある集落の中から遠くへ誘導し、
焼き殺す、又は戻って来れないように
川の流れに乗せてさらに遠くに追いやる……という
「実利のある習慣」だったのだと今更ながらに気がつきました。
(知ってるかたには、とても当たり前の話ですね。
私は机上の学習でしか知らなかったので、
このへんがすっぽ抜けてました。おはずかしい)


もちろん、全ての虫を駆逐できた訳ではないでしょうが、
仮に虫の三分の一がこれで集落からいなくなったとすれば、
その後の農作業は明らかに楽になるはず。
そして、楽になるということが
それぞれで「対処できる程度の範囲になる」というものであれば、
その三分の一の駆除は(あくまで仮の割合ですが)、
三分の一の効果ではなくて、必要充分な効果となるはずです。

なるほどと思いました。

そして、この「虫送り」に限らず、
精神的に区切りをつけるための儀式とか、
何かが形骸化したものだろうと思ってきた
祭礼、習俗の数々。

塩をそなえるとか、水をかけて清めるとか。
形代を使うとか、その他、いろいろ。

案外、そのままの「効果」が
あるものなのかもしれない、と思いました。

そもそも、家や集落、田や畑など、
人間が定住するために人工的に作る環境は、
「自然のサイクルを崩すこと」。
だから、自然の環境以上に虫が増えすぎたり、
逆に、他の何かが減りすぎたりする。
その土地での暮らしを存続させるためには、
その調整に「何か」を入れなければいけない。
それが、これらの儀式や行事なのではないかと。


そして、こういった習俗のひとつひとつのものを取り上げても
その効果ははっきりとは見えてこないけれど、
「一年を通して行われるそれらの集合」という塊、
さらに「毎年繰り返されるもの」という反復で見たとき、
働きを為し、効果を生むものなのかもしれない。

人間が、季節の巡りに合わせた一定のサイクルで
習慣的に行うものごとの集合が、
その場所に住む、人間以外の生き物たちに与える影響は、
ゼロであるはずはないと思います。
まして、樹木や一部の長命な動物たちを除き、
草も、虫も、鳥や獣たちも、苔も、菌も、その他微生物も
人間よりも、いのちのサイクルが慌ただしいものたち。
人間の中で三世代続けられた習慣は、
たとえば一年の寿命を持つ虫たちにとっては
自然現象と同じくらいの影響力を持って、
「ここの環境」として
次世代に影響していくとも思えます。

毎年6月ごろに梅雨が来ることを宛てにして
いきものたちが暮らすように、
たとえば人間が毎年同じ時期での焼畑を習慣としていたら、
畑の土を構成するものたちの中では、
それに馴染んだサイクルができあがっていくのではないか。


……遠回りしましたが、シロアリの話に戻りまして。

そんな習俗のあれこれが複合して定期的に行われる中で、
「木造の家という人工のものが、自然の中で存続しやすいように」
環境が整えられていくのではないか。

ひと世代、短時間の私だけのサイクルの中で
証明できることでもないので
この想像を正しいと証すことはむりですが、
そんなことを考えました。

ある意味、繰り返される習慣というものは
何世代もかけて組み上げられてきた
人間の住みやすい土地にするという
「結界術」なのかもしれません。

呪術とか、風水とか、
まああんまり詳しくないのですが、
これらのものは一般的に迷信のもの扱いされているものの、
こういう自然と共存するための「構造」とは
かなり、相似形を為すものである気がします。


その場で答えが見えず計算も立たないから
「迷信だ」「俗説だ」と決めつけたりせずに、
昔から長く続いてきたものは、きっと何かがあるはずだし、
長く続けられてきたという事実が、何らかの効果も持っていると
よくよく注意して接していこうと思いました。

「法隆寺宮大工口伝」も、人によっては
心構えや礼節を解くだけのものに見えているのだろうと思うし。
信仰心、というものもきっと、絡んでくるのでしょうね。

思いつくままに、つらつらとメモがてら記録してみました。
果てしなく想像が広がって行きそうなので、今はこのあたりで。
またまとめます。


雑記 | 09:35 | comments(0) | - | - |
古い建具たちの、リユース。
※カテゴリー「里山と結びついた家づくり」とダイレクトにはつながらないですが、
このおうちと結びつく予定なので、このカテゴリーに入れております。

先日、なかまの大工さんから、
昭和29年建築の、古い公民館の解体が決まったので
まだ使えそうなものを活用させてもらうために
見に行くということでお誘いをいただき、
ご一緒させてもらいました。

できれば、直して使えたらいいけどね……と言ってましたが、
プロが「壊すより直すほうがずいぶん高くついてしまう」と判断して、
持ち主にあたる地区のかたがたもその選択をとると決めたのならば、
傍観者が「もったいないなあ……」と感じても、それは言わない約束。
ならばせめて、まだ活かせるものだけはなんとかしよう、ということが
この場所と縁のできた人間にできること、です。きっと。


建物全景

ひとつの区の公民館にしては、大きな建物。
ステージと大きな座敷、管理人室がありました。

昔、5つの区が共同で使っていた、
小学校が建ったときと一緒につくられた、
あのころはにぎやかだった……
地元のかたに、そんな思い出話を聞かせていただきながら、拝見。

この建物は地元の大工さんたちで作ったそうですが、
今は、どの大工さんたちも高齢で、そしてどこも後継者がいないそうです。
仕方ない流れだとは思いながらも、
高度成長期って、ある側面からは衰退期なのだな……と
複雑な思いになります。


窓

目を引くのは、
入り口の左右にある、星形をした明かり取りの窓。

はじめてこれを見た私たちも、キュンとなりました。
昔からここを利用しつづけてきた地元のかたにとっては尚更、
記憶に刷り込まれた、とても印象的なものだったのだろうなと想像します。

私を含め、大工じゃないひとたちは
「ああ、これは、なくなってほしくない」と感傷先行で願い、
大工のひとたちは「無理」とは言わないものの、
「その気持ちはわかるよ」という微妙な表情をしていました。

無事に外すのはたいへんだろうな、とは
想像はしてましたが、木枠は構造材に固定され、
外側はコンクリートに固められている窓枠。


「とりあえず、やってみよう」と、
大工のTさんが砂漆喰で固められた
内側の壁をめくりはじめます。
ほどなく見える壁の板材。
大工たちが相談をはじめます。
外側からは、コンクリを割り進めないといけないので、
衝撃で割れないように、まずははめ込まれているガラスを外す作業。
ネジもさび付いているから、たいへんです。
私たちも手伝いましたが、やはり、主戦力は大工のふたり。

懺悔?
(はずしかたを相談中。なんか懺悔の1シーンみたい)


砂漆喰をはがすコンクリをなんとかする
繊細に、ときに大胆に、
また、内側、外側とようすをみながら
漆喰を削り、コンクリを割り、構造材を切りながら、

ガラスをはずす
ようやく、


I大工
とれたーーー!

T大工
こっちもとれたーーーー!

手さぐりの中、数々の難関にもくじけずに、
窓もガラスも損なうこともなく、無事、
とりはずすことができました。

この窓をぜひ活かしたい、どうか頼みます!!と言っていた
I大工の施主・K氏に、
「自分、窓、死守しました……」の証拠写真をお送りします。

ちからつきる


そしてこの直後、とれた窓をしみじみ見ながら、T大工が
「いやー、ほんとにとれるとは思わなかった」とつぶやき、
I大工がほんとうにへなへなとずっこけたりしました。
(いや、これ↑が演技というわけではないのですが)

なんとかしたいよね、と言い出したのはT大工で、
言外に「すごい大変だし無事にはずすのは超大変」とにおわせつつも、
この公民館の解体の話を持ってきたT大工がそういうなら
ベストを尽くすぜがんばるぜ、と
奮闘していたのがI大工だったのですね。

なかよしのふたりです。



……さて、そのほか。

建物の両側にたくさんある窓を見ながら、
「このガラスは割れて新しく替えてるな……
……あ、これはたぶん昔から残ってるガラス」とI大工。

屋根裏を覗いて、
「洋小屋のつくりやねー。トラスがある」とT大工。

大工たちには、古い道具や建具を見ては
「すごいなー」「これはまだ使える」などと
見た目の範囲だけで言っている私とは
違うものが見えているようです。

使えるそうなものたちを救出しつつ、
どんどん日は暮れ、
なんとか、この日のうちに終了しました。


最後に、
せっかく舞台があるのだから、と
公民館に「おつかれさま」の気持ちを込めて、
しずかに演奏。

演奏1

演奏2

いただいた窓、建具、その他もろもろ、
活かさせていただきます、公民館さん。

区長さんに終了のごあいさつにうかがい、
窓が活用できたときには、また写真などお送りしますね、と
大工たちがお話ししていました。

いい風景だなあと思いました。


取り壊し予定の日は過ぎたので、
この建物はもう、ありません。


公民館玄関前の蝋梅の木には、
きれいな黄色い花と、実がついていました。

蝋梅花
蝋梅実


「里山と結びついた家づくり」 | 01:18 | comments(1) | - | - |
富山、砺波の「カイニョ」。
 富山県、砺波市のくらし。
テレビでちらっとやっていて興味深かったので、
詳しく調べるまたの機会のために、概要の記録として。

有名な「おわら風の盆」は、
風を鎮めるためのおまつりなのだそう。
それくらい、風が強いところらしい。

そんな砺波の、
田んぼと住まいのある平地では
住まいの回りに、風防のために
「屋敷林」というのを作っているそう。
杉、桧、雑木、いろいろ植わっている。
この木々を、暮らしに活用している。

この屋敷林は、カイニョ、と呼ばれている。
(wikiでさらっと見てみたところでは
「垣入/かいにゅう」、「垣饒/かいにょう」がなまったものと
言われているけれど、なんかどっちも微妙だなあ)

番組の中では、杉の葉を焚きつけに、
その灰は畑の肥料に、など、
それくらいのものしか紹介していなかったけれど、
昔はもっと、多彩に使っていたに違いない。

いわば、人工の、パーソナル里山。

「屋敷林」というだけあって、
この林が取り囲むのは、
とても立派な、おおきなお屋敷。

働き手のひとびとは、
そのお屋敷に一緒に住まっていたのか、
それとも、他の場所にいたのか……

そのあたりのことも気になったりしながら、
この暮らしのなかに、
「自給、循環、継続」の
ヒントがいくつか、あるように感じました。


※やっぱりちょっと気になったので
すこし調べてみました。ああ、おもしろそう。
ロングスパンで考えられて続く文化は、どれも興味深いです。

砺波市公式観光サイト「砺波旅」シリーズ
http://yokoso.city.tonami.toyama.jp/kanko/www/special/sankyoson/kainyo.html



里山の暮らしの知恵 | 08:01 | comments(0) | - | - |
シカの皮なめし(試行錯誤編)
シカの皮をいつか活用してみたいものだ、と思っていたので、
ちょっと、調べてみた内容で自分なりの基準で
「これはできそう」「これはいいかも」という方法をまとめてみました。

《用意する素材》
・毛皮
・洗濯洗剤
・塩
・みょうばん(アルミ系・薬局で入手可能)
※塩:みょうばんは1:1または、1:2〜1:3くらいと、いろいろアリ。
 間をとって1:2でやってみます。
・油
※油は、ミンク脂、ヒマシ油、なたね油とか、天然の油なら何でもいいみたい。
ラードやサラダオイルでもいいみたいだけど、なんだか料理みたいだなあ。

《用意する道具》
・ナイフかスクレイパーか鉈
・ゴム手袋
・新聞紙
・洗濯機(なくても人力でがんばれればいい)
・高圧洗浄機(なくても人力でがんばれればいい)

《ざっくり工程》
1 洗う
洗濯機で洗剤とともに。主に毛側の汚れ落とし目的。
完全に乾燥させると臭くなるのと作業しにくくなるので
毛が乾燥した程度で次の工程へ。

2 「脂」「肉」をこそげとる
高圧洗浄機でやる手もあるけれど、強力すぎて脂だけでなくコラーゲンの層まで落としてしまうため、柔軟性が損なわれるらしい。
丸みのある台の上で、スクレイパーなどでこそげて肉と脂をおとしていく。

3 なめし剤を染みこませる(ドライ)
肉と脂を除いた皮になめし剤(塩+みょうばん)を擦り込む。
塩はPHを下げたり水分を抜くため。みょうばんはコラーゲンのタンパク質と結合させて
防腐&保存性を持たせるためのようです(みょうばんの作用って軽く調べた程度ではよくわかんなかった。だれか科学に詳しいかた、また教えて〜)。
なめし剤を盛ったまま、新聞紙などを両面に当てて、巻いて10日ほど放置して染みこませる&乾燥させる

※ウェットでやるならなめし液に漬ける。ただし、毎日混ぜたりとお世話がたいへんそう。
詳しくはぶんぶんネットワークさんのサイトを。
  
4 皮の中の水分をほかのもの(油)に置き換える
みょうばん浸透&乾燥が済んだ皮から、塩とみょうばんをこすり落とし、
油を擦り込む。

5 乾燥
伸張させながら日陰で乾燥。伸張させない人もいるみたい。
水分がじわじわ出てくるので、その都度ふきとりながら、1〜2週間乾燥。

6 やわらかくする
乾燥が終わるとするめのように固くなるので、
やわらかくするため、やすりがけをする。電動ヤスリが便利。
本来の方法に則って、かみついてもいいです。
表面がきれいな白色になりやわらかくなったら完成。

7 スモーク?
そういう工程を経るかたもいるようなので、メモ。
毛の側には煙が当たらないようにして、
煙突の中に吊したりして、処理。
おそらく、乾燥させつつ、防腐性、保存性を高めるのかと。


【参考にさせていただいたサイト】
豆狸の狩猟・採集的生活のススメ
http://hunting.seesaa.net/article/97961584.html
オグララ工房雑記
http://oglalajp.exblog.jp/7052400/
ぶんぶんネットワーク
http://bunbunnetwork2.kitunebi.com/bone/leather/leather1.htm
しがない毛鉤職人の日常
http://flytyer.exblog.jp/16198648/#16198648_1
ファーマー工房
http://homepage3.nifty.com/farmersatoh/myweb1_064.htm
wikipedia(情報少なかった……)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9A%AE%E3%81%AA%E3%82%81%E3%81%97#.E3.81.AA.E3.82.81.E3.81.97



皮の活用 | 12:24 | comments(0) | - | - |
段ボール薫製箱と、素薫製。
 前にいちど、手近な材料で シカ薫製をつくってみました が、
いかんせん、鍋が小さくて火が近く、なかば「燻した蒸し肉」に。
とはいえ、きっちりスモーク風味もついているし、
これはこれでおいしかったのだけど、
もうちょっとなー、って思っていました。

今更ですが、薫製には
熱薫、温薫、冷薫、とあるのですね。
違いは、文字のイメージのままでOKです。
前に私が作った燻し蒸し肉は、熱薫。

で、この体験談↑を話していたら、友人の友人が
「段ボールでも薫製箱、作れるよ。
 火から距離がとれるから、温薫でいけるし」と
教えてくれたので、それはなんと、手軽で安上がりだわ〜、と
試してみることにしました。

うちの場合、台所のガスコンロで作るつもりなので
フードまでの高さ×隣のコンロにかからない幅の段ボールをチョイス。
かつ、網がほぼぴったりおさまるサイズのものを探しました。

箱の穴を塞ぎ、のぞき窓兼取り出し口を作り、
中程に網を入れて、竹串で刺して固定。

できあがりです。

外観

中

(材料費:網代100円)

網に肉をならべて、
熱薫のときの小鍋にチップをひとつかみ入れ、
ガスコンロの上に置き、
その上にこの段ボール薫製箱をのっけます。

手順は、ほぼ熱薫のときと同じ。
チップを入れた小鍋の下からコンロの火で加熱、
煙が立ったらとろ火にして、放置です。

熱薫のときより、ずいぶん空間が広いので
肉が熱々にはならないです。
さわると温かい程度。文字通り、温薫。
前回気になってた水蒸気も、肉が小さければ問題なし、でした。
(塊肉では、ちょっと蒸れる感じはありました)

中のもののサイズにもよるけれど、
所要時間はだいたい、40分〜1時間20分ほど。
ひとつかみのチップは20分ほどで真っ黒になっちゃうので、
20分×2〜4セット、という感じで入れ替えます。

これで3度ほど、薫製つくってみました。
それぞれの簡単なレポートです。

 ↓ ↓ ↓

■1回目 シシのかたまり薫製
・調味液に漬け込んだシシ肉の塊を使用。
・水分が多かったので、かなり長時間燻した
 (1時間20〜40分くらい)。
・あぶらみの薫製のおいしさがかなり特徴的。
 今度は脂身だけで作ろう。

■2回目 シカ熟成肉の薫製(アバラ部分)
・1週間ほど吊して熟成したシカ肉のアバラ部分
 (骨ははずした)を使用。
・熟成で水分量が少なくなっているのに加え、
 部位的にも乾燥が進んでいたので短時間でできた(20分程度)。
・調味液に漬けることもせず、味も付けず
 肉のままの、「素」薫製。
・(解体現場調理だったので仕込む時間もなく、
 かつ、チョットめんどくさかった)
・意外においしかった。客観的な感想でもなかなか好評。
 素薫製、アリなんだなあ。

■3回目 シカ熟成肉の薫製(モモ肉の裂き)
・上記の素薫製に味をしめて、再挑戦。
・10日ほど熟成したシカモモ肉の塊(軽く塩してある)を
 1cm厚さくらいになるように引き裂いたものを使用。
・つけ込みなし、味付けなし。
・まだ完全にできてない、柔らかさが残っているうちに
 味見したら、意外にこの半生状態がおいしかった。
 のでこれで完成にした(約40分)。
・見た目が「きんこいも」みたい。
・こちらは、塩味ゼロより、
 多少塩味がついているほうがおいしかった。


気になってた段ボールの耐久性ですが、
基本的に、だいじょうぶです。
養生テープで貼った目張り部分が、
熱と煙でゆるんでくる程度。
紙製ということで、湿気を吸収したり結露することなく
使えているのは、もしかしたら、鉄板でできたやつより
好都合だったりしているのかも、しれません。
(鉄板でできた既製品、使ったことないけど……)

あ、これって、
木組み+土壁+茅葺きの薫製箱を作ったら、
案外、いけるんじゃないかしら。
生活の中で自然と薫製づくりをしてた、
囲炉裏+古民家構造のミニチュア版。

これでうまくいったらおもしろいなー。
……大工さんに相談してみよう(笑)。


肉を食べる(調理) | 06:11 | comments(0) | - | - |
COMMENTS
  • シカring
    R.Hashimoto (04/30)
  • 民映研ビデオ「映像民俗学シリーズ・日本の姿」 第11巻・竹縄のさと 第8巻・下園の十五夜行事 感想
    emix (11/19)
  • 民映研ビデオ「映像民俗学シリーズ・日本の姿」 第11巻・竹縄のさと 第8巻・下園の十五夜行事 感想
    夢子 (08/18)
  • 訃報
    emix (08/07)
  • 6/28第一回上映。「民映研の映画を見よう会」ページをつくりました。
    emix (06/28)
  • 6/28第一回上映。「民映研の映画を見よう会」ページをつくりました。
    emix (06/28)
  • 6/28第一回上映。「民映研の映画を見よう会」ページをつくりました。
    emix (06/21)
  • 6/28第一回上映。「民映研の映画を見よう会」ページをつくりました。
    emix (06/21)
  • 6/28第一回上映。「民映研の映画を見よう会」ページをつくりました。
    emix (06/21)
  • 古い建具たちの、リユース。
    emix (04/06)
CALENDAR
<< September 2017 >>
SunMonTueWedThuFriSat
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
PROFILE
SEARCH BOX