2013.06.17 Monday by emix
綱渡りのような現代日本の生活のなかで、未来を想像し 「持続可能なくらし」を考えたとき、その答えや重大なヒントは はるか遠くの国の文化や、とても個人レベルでは手の届かない高度な科学技術や、 今はまだみつかっていないスゴイ発明とかの中にではなく、 それぞれの地域に古くから根付いていた 「もののつくりかた(住居、道具)」 「自然の利用のしかた(太陽、水、土)」 「たべものを手に入れる手段(農耕、狩猟、採集)」 「たべもののつくりかた(保存食、発酵)」 ……などの中にあったのだと、知れば知るほど、実感します。 駆け足の戦後義務教育があわただしさの中でとりこぼしてきた、 青い鳥のような、すてきな日本のスローカルチャー&ライフスタイル。 ・循環する里山の暮らし ・確かな手しごと ・収奪しない狩猟採集 ・自給自足に近づく生きかた etc... そんなキーワードが心にひっかかるかた、 ぜひ一緒に映画を見たり、お話したりしませんか。 過去に一度、確かに「わたしたちのもの」だったこれらの暮らし。 今なら、とりもどしたいと強く願う人の手には がんばればまだとりもどせる距離にある知恵や技術だと感じます。 ぜひ、「こういう話を知りたい」と思えるなかま同士で、 よいものを探し、見つけ、確かめ合っていければ、 いい未来が開けるんじゃないかなあと思ったりします。 まだ照準が絞れていないので長々ととりとめなく書いてしまったけれども、 「まずは知りたい」というところで、通じ合えるひとと 一緒にこれらの映画を見れたらいいなあ、と思ってます。 楽しみにしています。よろしければ、ぜひとも。 ■民映研の映画を見よう会 第1回 6/28(金) 福島県の山の民俗文化 〜東北の豊かな山が育んできた 手仕事と生きる知恵 日時 6/28(金) 19:00〜22:00 料金 1500円 会場 古民家 Hibicore 定員 入れるまで(なるべくご予約いただけると助かります) 上映映画(各1時間×2本立) ・奥会津の木地師 ・奥茂庭〜摺上川の流れとともに〜 詳しくはこちらにて。 http://shomin.emix-express.com/min-ei-ken.html コメント
補記1。
だいじなことを紹介しそびれていました。 民映研の映画、「姫田忠義」さんという民俗学者のかたが 監督をしているものが多数なのですが、このかたがまた、魅力的です。 現場に足を運び耳を傾けるフィールドワークを大切にする姿勢が素敵。 「忘れられた日本人」で知られる民俗学者・宮本常一さんに師事。 ... wikipediaに紹介があったので、ぜひこちらもごらんください。 あと、姫田さんが監督された作品のリストもここに載っていたので、 「民映研にはどんな映画があるの?」と興味関心を持たれたかたは このリストをながめてみてもらうと、恋に落ちるかもしれません(好きゆえの欲目だと分かってても書いとく!)。 http://ja.wikipedia.org/wiki/姫田忠義
from: emix | 2013/06/21 11:34 PM
補記2。
ちなみに、奥茂庭は北西約85km、奥会津は西南西約130kmです(福島第一原発からの距離)。 なんとなくそのへんの距離感、位置関係を心におきつつ見てみたいなと思ってメモ。 それぞれの地域が福島県のどのへんにあるかは、こちらのリンクでどうぞ。 奥会津(福島県南会津郡田島町針生) ... http://goo.gl/maps/mpi3Q 奥茂庭(福島県福島市飯坂町茂庭) http://goo.gl/maps/CP8jc
from: emix | 2013/06/21 11:36 PM
補記3。
上映する2本のうち「奥茂庭(おくもにわ)」は、ダムの建設のために集落や生活圏が水没したり移住を余儀なくされる地域の記録映像です。 以前、同様の水没地域の記録映像を見たときに「水道や電気を通して日常生活の中でダムのお世話になりながら、ぜんぜんこういうことを知らなかった」と思い至り、「地元・三重でダムの建設のために水没した集落は」と調べてみたら「蓮ダム(飯高)」と「比奈知ダム(名張)」が記録に残っていました。はちすは65戸、ひなちは20戸。ざっくりした調べ方だったので、他にもあるかもしれません。 ... で、こんな話を一昨日くらいに松阪の知人と話していたら、「あ! まさに、うちの義父が蓮ダムの建設でここに移転してきたって言ってました」と思い出していろいろ話してくれました。調べたりしゃべったりしてみるものだと思いました。 遠くのどこかの話ではなくて、身近な地域、じぶんの暮らしにつながるものだという視点で見れたらいいなと思います。 蓮ダム http://ja.wikipedia.org/wiki/蓮ダム 比奈知ダム http://ja.wikipedia.org/wiki/比奈知ダム
from: emix | 2013/06/21 11:38 PM
補記4。
そういえば、ちょっと前まで自分も「木地師……木でうつわとかを作る人のことだよね」という非常にアバウトな認識だったので、あらためて調べてみました。 調べてみると、いろんな情報が入り乱れており、ちょっとした歴史の波に翻弄されました。ひー。それらをまとめてみると、どうやら、古くからの「木地師」という職名には、広義のものと限定的なものと二つの意味があるようです。 広義では、木を削り出して道具をつくりだす技術を持った人。「木地」ということばは、あとに塗りなどの工程が続くという意味で「木による下地」と説明されたりもしていますが、無垢仕上げのものがあることを思うと、広義の意味としては正確ではなさそうです。 限定的なもののほうは「手挽きロクロ」を使い、回転による削り出しで木を加工する技術を持った人々。轆轤師とも。こちらは、この「手挽きロクロ」という道具から、平安前期、滋賀県東近江市(旧・永源寺町)の蛭谷地区(君ヶ畑)が技術発祥の地とされているようです。 このへんのことは書き出すと長くなりそうなので、ご興味ありましたらgoogleで検索したり、wiki先生からいろいろたどってみてください。翻弄され仲間になりましょう(笑)。 木地師 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/木地師 いずれにせよ、近代の法律によって規制されるまでは、木地師という人たちは定住せず、全国の山で移動をしながらものづくりをするという生活スタイルを持っていました。日々の食料や日常生活のための道具は山の暮らしの中でおおむねは自給自足できるものだったと思いますが、轆轤挽きの作業には刃物(しかも特殊な専用工具)が不可欠。移動生活の中では大がかりな設備と技術の必要な金属の鍛練は難しく、それを専門とするタタラ衆との間には深い結びつきがあったようです。 「自給自足」は、自然と共存する暮らしの中で大切なキーワードですが、それと並んで、専門性の高い作業や技術の「役割分担」も不可欠だと思っています。 しかし、役割分担を追求しすぎることは、現代のあやまちの数々につながることも、実感しているところ。 それの「さじかげん」を、このような「古くから長年継続されてきた技術や暮らし」から学べたらいいなあと思っています。 (その他参考リンク) ■木地師資料館(滋賀県) ルーツと言われているところにある資料館。説明、超あっさり。どうしてもっと応援しないんだろう、県。 http://www.pref.shiga.lg.jp/minwa/31/31-04.html ■木地師がつくる鶴山漆器 おぐら(岡山県) 木地師とタタラ衆との関係に言及。 http://www.tvt.ne.jp/~kijishi/kijishi/kijishi2.html
from: emix | 2013/06/28 6:17 AM
補記5。
京大総合博物館が、いいものを作ってくれていました。 姫田監督の映画撮影地がgoogle earth上で分かるようになっています。 私の環境では見れないのですが、見れる環境のかたはよろしければ。 http://virtual-earth.asafas.kyoto-u.ac.jp/eizouhaku/himeda.html
from: emix | 2013/06/28 6:18 AM
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