あえて、webも「昔ながらの構法」で。
住まいや建築の話をよくとりあげていますが、
「ビルド」つながりで、ちょっとこんな話も。

石を礎とし、木で組み、竹を編み、土壁をつける
日本古来の木造建築の方法「伝統構法」には、
現代で主流の構法たちと比べたときに
不便や非効率的とうつるものがあるとしても、
それは決して単純に劣るというわけではなく
そういうありようだからこその利点があります。
(詳しくは「木の家ネット」さんのホームページをどうぞ)

じつはちょこちょこお仕事でやっていますが、
webのほうの「家の建築」……
ホームページビルディングも同様だと
最近、とみに思っています。

最近のサイトは、確かに便利です。
最新情報がリアルタイムで表示され、
見ている間にも、更新されていきます。
作る側にとっても「weblog」の仕組みが
サーバー側に多く用意され、作成も更新も楽です。

でも、それは
「表示するパソコンの処理能力が高い」
「回線が太く安定している」という
現代の環境に大きく依存した仕様。

ダイヤルアップの回線も多かった
インターネット初期の時代、
なるべくデータを軽く、処理を速くしようと
工夫されていたwebデザイン&コーディングの技術。
1ページの容量を気にしたり、
閲覧環境の画面サイズを想定して
レイアウトを組んだり。
閲覧環境に依存しないタグを使い、
使う場合は、代替のものを埋め込んだり。
これらの工夫がもたらす効果は、現在でもまだ……
いや、これならではの価値があると思います。

「ブラックボックスが少ないから個人的に好き」
という好みの範囲にとどまると思っていた
インターネット初期のweb構法が、
「もしかしたら、まだ世の中に必要とされるかもしれない」
と思ったのは、3/11のあの災害の時です。

短時間の接続で欲しい情報が表示される。
ずっと回線を使い続けない。
ただのテキストであるhtmlは、
霞のように消えることがなく、安心。
古い単純なcgiスクリプトも
レスポンスの早さで役に立つ。

あの日のような、「現代の環境」が
突然まるきり崩れてしまうような
深刻なトラブルがあったときに、
これらの単純さは、ライフラインになり得る。


どんどん更新されていく最新技術を
追いかけ、手中にし、進化を続けていくかたは
世の中にたくさんいらっしゃるので、
私はそのスキマを補うものとして「webの伝統構法」を使った
ホームページ構築を、あえて続けていこうと思いました。

「生物多様性」の大切さが見直されている昨今ですが、
機械、テクノロジーなどの無生物たちの世界も同様で、
古さは「踏み越えられていった過去」ではなく、
多様性のひとつとして、大切なものなのだと思います。



スローワークいろいろ | 19:57 | comments(0) | - | - |
COMMENTS
  • シカring
    R.Hashimoto (04/30)
  • 民映研ビデオ「映像民俗学シリーズ・日本の姿」 第11巻・竹縄のさと 第8巻・下園の十五夜行事 感想
    emix (11/19)
  • 民映研ビデオ「映像民俗学シリーズ・日本の姿」 第11巻・竹縄のさと 第8巻・下園の十五夜行事 感想
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