2013.04.10 Wednesday by emix
住まいや建築の話をよくとりあげていますが、 「ビルド」つながりで、ちょっとこんな話も。 石を礎とし、木で組み、竹を編み、土壁をつける 日本古来の木造建築の方法「伝統構法」には、 現代で主流の構法たちと比べたときに 不便や非効率的とうつるものがあるとしても、 それは決して単純に劣るというわけではなく そういうありようだからこその利点があります。 (詳しくは「木の家ネット」さんのホームページをどうぞ) じつはちょこちょこお仕事でやっていますが、 webのほうの「家の建築」…… ホームページビルディングも同様だと 最近、とみに思っています。 最近のサイトは、確かに便利です。 最新情報がリアルタイムで表示され、 見ている間にも、更新されていきます。 作る側にとっても「weblog」の仕組みが サーバー側に多く用意され、作成も更新も楽です。 でも、それは 「表示するパソコンの処理能力が高い」 「回線が太く安定している」という 現代の環境に大きく依存した仕様。 ダイヤルアップの回線も多かった インターネット初期の時代、 なるべくデータを軽く、処理を速くしようと 工夫されていたwebデザイン&コーディングの技術。 1ページの容量を気にしたり、 閲覧環境の画面サイズを想定して レイアウトを組んだり。 閲覧環境に依存しないタグを使い、 使う場合は、代替のものを埋め込んだり。 これらの工夫がもたらす効果は、現在でもまだ…… いや、これならではの価値があると思います。 「ブラックボックスが少ないから個人的に好き」 という好みの範囲にとどまると思っていた インターネット初期のweb構法が、 「もしかしたら、まだ世の中に必要とされるかもしれない」 と思ったのは、3/11のあの災害の時です。 短時間の接続で欲しい情報が表示される。 ずっと回線を使い続けない。 ただのテキストであるhtmlは、 霞のように消えることがなく、安心。 古い単純なcgiスクリプトも レスポンスの早さで役に立つ。 あの日のような、「現代の環境」が 突然まるきり崩れてしまうような 深刻なトラブルがあったときに、 これらの単純さは、ライフラインになり得る。 どんどん更新されていく最新技術を 追いかけ、手中にし、進化を続けていくかたは 世の中にたくさんいらっしゃるので、 私はそのスキマを補うものとして「webの伝統構法」を使った ホームページ構築を、あえて続けていこうと思いました。 「生物多様性」の大切さが見直されている昨今ですが、 機械、テクノロジーなどの無生物たちの世界も同様で、 古さは「踏み越えられていった過去」ではなく、 多様性のひとつとして、大切なものなのだと思います。 |
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