シルビオ・ゲゼルの「ヴェルグルの労働証明書」
前記事、「交換リング、デーマーク、東ドイツ。」の関連。

この番組のなかにあった、地域通貨の話で
シルビオ・ゲゼルという人がかんがえた
「老化するお金が、経済を回す」というのがあった。
その考えを軸に作られたのが、地域通貨でもある
「ヴェルグルの労働証明書」というもの。

詳しくは、上記リンク先の動画をどうぞ。

(全文書き起こしもありました)
http://rothschild.ehoh.net/material/animation_03.html

こちらについても、納得しつつ、いろいろ思う。
デーマークのように、
「これだけでは成り立たない」性質のものですね。
でも、これが全てではないのと同時に、
これが持つuniqueなすてきさがある。
併用していったらいいのではないか。

だって、今だって、おなじ「貨幣」で回しているけれども
「株式市場で扱われるカネと、
パンを買うときのお金と性質は異なる」のだから。


そこから、考えたこと。
思いつきなので、雑です。

金(gold)と交換できる兌換紙幣は、アリ。
・老化しないお金だけど、架空・無限の価値ではない。
・金の量(金でなくてもいいですが)の限界と連動する。
→こういうお金は「貯蓄」用に使う。


・コメそのもの、またはコメと交換できる
 「老化するお金」、「価値が減衰するお金」もアリ。
・老化するお金だからこそ、はじめの価値(新米おいしい)は高い。
・計画的に使うのに適している。
・当然、コメの実際の量と連動する。
→こういうお金は日々の生計をたてるために使う。


頼母子講といい、コレといい、
じゃ、その「集めたお金」や、「金の交換所」は、
だれが運営するのか、ってとこですね。

私はやりたくないし不適当だよなあ……と思ったら、
「信じてる」ってことばで、人にその「自分がやりたくないこと」を
おまかせするのは、何だかフェアじゃないなあ、という気がしてきました。

「信用できるひとり」もいいけど、
「みんなで誰かのを預かり合う」というのも
(ある意味、痛み分け)もしかしたら、いいのかもしれない。

なんだかんだ、なにもかも、考え中です。



おかねのこと | 09:27 | comments(0) | - | - |
郡上八幡、頼母子講。
 意識していると、ジャストのものがアンテナにひっかかってきますね。
ありがたいです。

ということで、先ほど朝ご飯食べながら見ていたBSの番組で、
おかねに関する、ちょっとおもしろいしくみのことを知りました。

岐阜県・郡上八幡にある、「頼母子講(たのもしこう)」。

さらっと見て、ざっくり把握しただけなので、
詳細はまたのちほど調べながらゆっくり考えたいのですが、
講に所属しているメンバーで、月にいくら(たとえば1万)、貯蓄のように出す。
何もなければ、ためていく。いわば、集落の中での貯金システム。
そして、それを「今欲しい、高額のものがあるメンバー」がいたときに、貸す。
その「貸す」のときに、ちょいと利子がからむ一工夫があるのですが、
それはさておき、この「お金を貸す」行為には、
「架空の価値」「架空のお金」がないのです。
そこが、「今の地価」「将来の見込み収入」……
未来を担保としてお金を借りる、銀行の借り入れとは異なるところ。


・積み立てされた額以上のものは出せない。
・地域で信用のない人には貸してもらえない。
・かわりに、困っていたら、地域で助け合える。


古くは鎌倉時代から存在していたという記録もあるシステムで、
庶民たちが、家を建てるとか、お葬式をだすとか、
高額のお金が入り用のときに、活用していたそうです。
戦後においては、テレビや冷蔵庫といった三種のアレを、
これを使って、集落のなかで順繰りに買っていったそうで。

もちろん、これが「最高!」という訳ではなくて、
ちょっと調べてみようとグーグル先生に「頼母子講」と打ったら
検索候補に「頼母子講 詐欺」「頼母子講 違法」とか
出てくるあんばい。
いろいろ、失敗例の先例があるようです。
(それはそれで、いいシミュレーションの材料です)

また、郡上八幡では「頼母子講」という名前ですが、
沖縄ではモアイ……模合、というそうですね。
その他、いろんな地域で、いろんな名前で
似たシステムが存在しているようです。


ともあれ、どんなにすてきで画期的なアイデアであっても、
そのものの「範囲」「加減」によって、属性は善にも悪にもなるもの。
いいアイデアを手にしたときに、引き締めるべきは、こころ。
浮かれる前にすることがある。

東日本大震災で、「担保を失って借金だけが残った」……
「架空のお金」によって追い詰められたひとたちの
いくつかのかなしい、つらい現状と結末を見て、
いくら便利で効率的であっても、
「未来というものを担保にしてはいけない」と、重々思ったのです。



おかねのこと | 08:47 | comments(2) | - | - |
交換リング、デーマーク、東ドイツ。
 友人が紹介してくれた、ミヒャエル・エンデの
晩年の取材を元にしたNHKの番組、「エンデの遺言」。

http://www.youtube.com/watch?v=aiT2wCmjuG8

彼は「マネー」が「力を持ちすぎて」いる現代社会をとても心配し、
番組をひとつ持っていたNHKとの打ち合わせのときに
自分からこの「お金の価値、役割を問う」企画を持ちかけたのだそう。


本にもなっているので、その概略は以前読んでいたのだけど、
あらためてこの動画を見てみて、後半で、非常に感銘をうけました。

それがこのタイトルに書いたキーワード、
「交換リング、デーマーク、東ドイツ」。

なんだなんだ、と思ったら、ぜひ、このキーワードで
検索してみてもらえたらな、と思います。

地域通貨の話から進んでいくこのシステム、
私には、たいへん、すてきなものに、映った。

別の友人と以前、「仕事の物々交換」という
話をしたことがあるのだけど、
この考えとつながる、そしてひろがる、
いい構造ではないかしら。

もちろん、「これ、イケてるじゃん!」って
そのままの形で持ってきて使うのは、
間違いなく失敗すると断言できる。
(過去の歴史に学んでみました)

価値観、人間関係、などなど、
日本だからこその部分。
そして、関わるじぶんとなかまたちの、
ローカルな環境と、こころの部分。

東ドイツのひとが、さきがけて運用した
このすてきなアイデアを、
咀嚼して、のみこんで、反芻して、
「わたしたちに合うかたち」
「わたしたちが気持ちよく納得するかたち」に
できたらいいな。

こころのかたすみで、絶賛考え中です。

※ところで、この構造に「交換リング」という名前をつけた理由は何だろう。
取り替え子の「チェンジリング」か、親密な関係を築く「指輪交換」か……
どっちかであれば前者っぽいですが、気になるので
また時間のあるときに調べてみようと思います。



おかねのこと | 06:36 | comments(0) | - | - |
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